10月も後半に入り、朝晩はすっかり秋らしくなってきました。日中は過ごしやすくても、朝起きたときには少し肌寒さを感じる季節です。これから冬に向かって、住まいの暖かさや快適さが気になり始める頃ですね。
毎日の家事の中で、意外と時間と手間がかかるのが「洗濯」です。
洗濯機が自動で洗ってくれるようになっても、干す、取り込む、たたむ、しまうという作業は残ります。
最近は、この負担を減らすために「ランドリールーム」を希望されるお客様も増えています。
でも、ランドリールームをつくれば、それだけで洗濯がラクになるのでしょうか?
実は、間取りや換気計画を間違えると、せっかく専用の部屋をつくっても「洗濯物が乾かない」「湿気がこもる」といった問題が起きることがあります。
今回は、知っておくと得をするランドリールームのつくり方をご紹介します。
■洗濯で大変なのは「家の中の移動」です
洗濯物を洗って、2階のベランダまで運び、乾いたら取り込んで、1階でたたみ、それぞれの部屋へ収納する。
これを毎日繰り返しているご家庭も多いのではないでしょうか。
特に濡れた洗濯物は重く、階段の上り下りは年齢を重ねるほど負担になります。
そこで考えたいのが、「洗う・干す・乾かす・たたむ・しまう」をできるだけ近くにまとめることです。
ランドリールームの隣にファミリークローゼットを設ければ、乾いた衣類を各部屋まで運ぶ手間も減らせます。
大切なのは、ランドリールームの広さよりも、家事動線の短さなのです。
■知らないと後悔する「室内干しと湿気」の関係
ここが、今回一番お伝えしたいところです。
洗濯物を室内に干すと、衣類に含まれた水分が室内の空気へ放出されます。
例えば、洗濯物から2リットルの水分が蒸発すれば、その水分を室内から取り除く必要があります。
換気扇を付けておけば必ず乾く、というわけではありません。
洗濯物が乾く速さは、室温・湿度・空気の流れによって大きく変わります。
特に梅雨時期は外の空気も湿っているため、換気だけでは十分に乾かないことがあります。
そこで水野建築では、ランドリールームを計画するとき、換気だけでなく、除湿機やエアコンの利用、空気の流れまで考えることが大切だと考えています。
湿気を適切に処理することは、洗濯物の乾燥だけでなく、結露やカビのリスクを減らすことにもつながります。

■断熱性能も洗濯のしやすさに関係します
もう一つ、意外と知られていないのが住宅の断熱性能との関係です。
冬場、室温が低いランドリールームでは洗濯物が乾きにくくなります。
また、壁や窓の表面温度が低いと、湿気によって結露が発生することもあります。
断熱性能を高め、適切な気密・換気・除湿計画を組み合わせることで、室温を保ちやすく、湿気も管理しやすい環境をつくれます。
ランドリールームも、家全体の温熱環境と一緒に考えることが大切なのです。
■本当に専用の部屋が必要でしょうか?
ここも、ぜひ考えていただきたいポイントです。
ランドリールームをつくるために床面積を増やせば、その分建築費用もかかります。
しかし、必ずしも独立した部屋が必要とは限りません。
洗面脱衣室を少し広くして室内物干しを設けたり、廊下の一部を活用したりする方法もあります。
さらに、ガス衣類乾燥機やヒートポンプ式乾燥機を上手に利用すれば、干す作業そのものを減らすこともできます。
大切なのは、流行の間取りを取り入れることではなく、ご家族の暮らしに合った方法を選ぶことです。
■家事がラクになることは、暮らしにゆとりが生まれること
洗濯にかかる時間が毎日10分短くなれば、1年間で約61時間の節約になります。
その時間を家族との団らんや、自分の好きなことに使えたらどうでしょうか。
水野建築では、家づくりは単に部屋をつくることではなく、30年、40年先まで、無理なく快適に暮らせる住まいを考えることだと思っています。
ランドリールームも、そのための一つの方法です。
新築はもちろん、リフォームでも洗濯動線を改善できる場合があります。
「毎日の洗濯が大変」「室内干しがなかなか乾かない」と感じている方は、設備だけでなく、間取りや住まいの性能にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
ちょっとした工夫が、これからの暮らしを大きく変えてくれるかもしれません。

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