【第2回】風が通る家は、夏がラク

― 通風計画は「入口と出口」で決まる ―

ひな祭りが過ぎて、春の訪れを感じる頃となりました。

やわらかな日差しが、少しずつ季節の移ろいを教えてくれます。

前回は、GX志向型住宅やパッシブデザインにおいて、

「建物の配置や形が、住まいの心地よさを大きく左右する」

というお話をしました。

今回はその続きとして、

夏の快適さに直結する「通風計画」についてお話しします。

(今回は5回シリーズの2回目です)

エアコンに頼りすぎず、

自然の風をうまく取り入れられる家は、

体感的にも気持ちがよく、電気代の面でもやさしい住まいになります。

■風通しの良い家に必要なもの

通風計画で最も大切なのは、

風の「入口」と「出口」をセットで考えることです。

「窓がたくさんあれば風が通る」

と思われがちですが、実はそうではありません。

風は、

入る場所があって、

初めて抜けていきます。

そのため、

・どこから風を入れるのか

・どこへ風を逃がすのか

を最初に考えることが重要になります。

■どこを涼しくしたいのかを考える

通風計画では、

「家全体を均一に涼しくする」よりも、

人が長く過ごす場所を心地よくすることがポイントです。

例えばリビングでは、

ソファやダイニングテーブルの位置を想定し、

そこに風が通るよう窓の配置を考えます。

風の入口側に、

くつろぐ場所を配置することで、

同じ風でも体感の涼しさは大きく変わります。

■窓が2方向に取れない場合の工夫

敷地条件によっては、

「風上と風下に窓を取れない」

というケースもあります。

そんなときに有効なのが、

高い位置の窓(高窓)です。

暖かい空気は上へ溜まりやすいため、

高窓を出口として設けることで、

自然と空気が動き、下から風を引き込む力が生まれます。

また、吹き抜けや階段室も、

風の通り道として大きな役割を果たします。

■建具の工夫で、風は家の中を巡る

通風は、

外から入った風が

家の中をどう通り抜けるかも重要です。

引き戸や欄間(らんま)などを使うことで、

部屋同士を風が抜けやすくなります。

ドアを閉めると風が止まってしまう間取りでも、

こうした工夫によって、

空気が家全体をゆっくり巡るようになります。

■外構計画も「通風」の一部

講義で印象的だったのが、

風は通ってくる場所によって、温度が変わる

という話でした。

アスファルトやコンクリートの上を通った風は、

どうしても熱を含みやすくなります。

一方で、

植栽や土のある庭、木陰を通った風は、

体感的に涼しく感じられます。

そのため、家の設計とあわせて、

庭や植栽などの外構計画も一体で考えることが大切です。

■風を「取り入れる」家づくりへ

通風計画は、後から足し算で考えるものではありません。

建物の配置、

窓の位置、

暮らし方、

外構計画まで含めて、

最初から一緒に考えることが大切です。

GX志向型住宅とは、

単に性能の良い家ではなく、

自然と心地よく暮らせる家。

そのための大切な要素のひとつが、

この「通風計画」だと、改めて感じました。

次回予告

次回は、「明るい家=大きな窓、ではありません」

をテーマに、

昼光(自然光)を上手に使う設計についてご紹介します。

「明るいのに、なぜか落ち着く」

そんな住まいのヒントを、

分かりやすくお伝えする予定です。

GX志向型住宅や、これからの家づくりを考えるうえで、

少しでも参考になれば幸いです。

夏の暑さ対策は、エアコンだけに頼らなくても工夫できます。

「風が通る家にしたい」「今の家が暑い理由を知りたい」

そんな疑問がありましたら、敷地や暮らし方をふまえて一緒に考えます。

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岐阜県土岐市、注文住宅&省エネ・快適・健康リフォーム工事の水野建築でした。

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