【第4回】窓は「断熱」だけで選ばない

U値と日射を正しく考える

やわらかな日差しに、春の訪れを感じる季節となりました。

光の入り方ひとつで、室内の表情も少しずつ変わっていきます。

これまでの回では、

建物の配置や通風、昼光(自然光)の使い方についてお話ししてきました。

今回はいよいよ、窓そのものの性能についてです。

窓の説明を受けると、

「U値がいくつ」「性能等級はいくつ」

といった数字を聞くことが多いと思います。

もちろん性能は大切ですが、

数字だけで窓を選ぶと、かえって暮らしに合わないこともある

という点が、今回の講義でとても印象に残りました。

(今回は5回シリーズの4回目です)

■U値とは「熱をどれだけ通しにくいか」

まずよく出てくるのが U値。

これは、窓からどれだけ熱が逃げやすいかを表す数値です。

・数値が小さいほど、断熱性能が高い

・冬の寒さ対策には、とても重要

つまりU値は、

「冬の熱を逃がさない力」と考えると分かりやすい指標です。

ただし、U値が良い=一年中快適、とは限りません。

■もう一つ大切な「日射」の考え方

窓には、もう一つ重要な性能があります。

それが 日射熱取得率(η値) です。

これは、太陽の熱をどれだけ室内に取り込むかを表す数値です。

・冬は、日射を取り込めると暖かい

・夏は、取り込みすぎると暑くなる

つまり、季節によって“有利・不利”が変わる性能だということです。

■「逃げる熱」と「入る熱」を考える

講義では、窓の性能を

「逃げる熱」と「入る熱」のバランスで考えることが大切だと説明されました。

・断熱が弱いと、せっかく暖めた空気が逃げる

・日射を取り込みすぎると、夏は冷房が効きにくい

どちらか一方だけを見るのではなく、

両方を合わせて考えることが、快適な窓選びにつながります。

■南向きの窓は「得をする窓」

前回までのお話ともつながりますが、

特に南向きの窓は、

冬に日射を取り込みやすく、

夏は太陽が高くなるため直射が入りにくいという特徴があります。

このため南面では、

・断熱性能

・日射取得

をうまくバランスさせることで、

暖房エネルギーを抑えられる可能性があります。

反対に、東西向きの窓は夏の日差しが強くなりやすいため、

日射を「入れない工夫」が重要になります。

■数字は「比較のため」に使う

U値や日射の数値は、

「良い・悪い」を決めるためのものではなく、

比較するための道具として使うのが大切です。

どの方位に、

どの大きさの窓を付けるのか。

そこに庇や外付けシェードがあるのか。

そうした条件によって、

同じ窓でも感じ方は大きく変わります。

■数字よりも「どう暮らしたいか」

今回の講義を通して感じたのは、

窓性能は「数字の競争」ではない、ということです。

・冬、日だまりのあるリビングで過ごしたい

・夏は直射日光を避けて、涼しく過ごしたい

・明るさと落ち着きを両立したい

こうした暮らしの希望があってこそ、

性能の意味が生きてきます。

■次回はいよいよまとめ回です

次回は、これまでの

・配置

・通風

・昼光

・窓性能

をふまえた 総まとめとして、

「GX志向型住宅で本当に大切なこと」

をテーマにお届けします。

数値や流行だけにとらわれず、

長く心地よく暮らせる住まいとは何か。

水野建築の考え方も交えながらまとめる予定です。

窓の性能は数字だけで決めるものではありません。

「どの窓が自分たちの暮らしに合うのか?」

分かりにくい部分こそ、分かりやすくご説明しますので、

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